2012/09/27

ダンスホール業界に必要なモノとは?①


突然ですが、ダンスホール業界(ここではクラブイベントにおけるサウンドの活動にフォーカスします)の現状についてどう思いますか?「レゲエバブルが弾けた」と揶揄されて久しいですが、ダンス減ったなーとプレイヤーもお客さんも誰もが感じているのではないでしょうか?ダンス減ったなぁ~、遊びにいくとこないなぁ、まあいっか寝よう・・・
なのか、そもそもそんな風に感じていないかどうかは知らないけど、自分が感じるそういう現状に対して業界として手を打とうという空気はないように感じます・・・
そういえば、同業者同士でこういう会話すらしたことが無いかも知れない。危機感は持っているけどどうして良いか分からないというのが本音でしょうか。

告知サイトなどを見ていると、1,2年前と比べても明らかに都内中心部のイベントの数は激減してます。特に大箱と呼ばれるクラブでの週末、祝前日のイベントはほぼ壊滅的で、フェスなどの大規模イベントも少なからず影響は受けているだろうと思われます。個人的には、この現状こそが業界にとって重要な課題だと考えています。自分達の直面している危機から目をそらし、風適法云々、ダンスが規制されているなどとベクトルを変えて責任転嫁というか逃げる風潮はとても不安。知識不足もあるけど超無責任だよなぁ・・・特に根性・感情論に持っていきがちというのが痛い・・・と思う。
目を向けるべきは、箱が減っているなどの環境変化より、その箱の中にいる自分達がシュリンクしているという自分達自身の劣化だと強く思います。

いやいや、イベントは平日にシフトしたり小箱にシフトしたり、新たな場所を探してやってるし、遊び場はキープできている etc だから問題ない。と考える人も沢山いるでしょう。今はまだそれで良いかもしれません。しかし、クラブ業界全体のパイにおけるダンスホールの割合がシュリンクし、大箱でのイベントやフェスなどメジャーなイベントが減ることで、徐々にダンスホールのクラブ業界におけるインパクト・発言力が失われ、延いては小箱や平日のイベントにも影響してくるという可能性が多分にあり、ここが重要な問題だと考えてます。マネタイズの問題や音楽そのもの性質についてはちょっと横に置いときます。

ダンスホール業界をピラミッド状の構造に当てはめると、上の方は職業プレイヤーのプロ、真ん中は趣味延長のプレイヤー、裾野はお客さんという感じでしょうか?ただ、ダンスホール業界の場合裾野と真ん中の距離感は非常に近く、線引きが明確にはされていないため、上の方とその他に分けて差し支えないかなと。

かつては、上部に位置するプレイヤーやイベンターが、オーバーグラウンドに活動し、大箱でもしっかり地位を確立していました。そのおかげもありダンスホールというジャンルはクラブ業界の中である程度強い発言力を持っていたと思います。一過性のブームだったということもあるでしょうが、他のジャンルと比べても発言力は強かった。
それがどういうことか?色々あるけど端的にいうと、ピラミッドの面積が大きくても受け皿があったし受け入れてもらえるスペースを作ってもらえたということ。クラブにとっても利用価値のあるプレイヤーがイベントをやっている、彼らを使うということ自体にバリューがあり、同時にプレイヤー側は好条件でいい環境でプレイ&やりたいイベントができる。俗に言うWin-Winの関係でしょう。

じゃあ今はどうか?レゲエ=ダンスホールに対するクラブ業界での風当たりは非常に強く、ピラミッドのサイズを小さくしないと入り込むスペースがありません。下手したら最初からスペースそのものが無い。週末の渋谷見ててわかりますよね?それの何が問題かというと、ダンスホール業界の面積(ピラミッドの大きさ)を小さくすると、必然的にピラミッドの真ん中から下のシーンの中核を担う、若手や専業ではないプレイヤーはシーンから離脱せざるを得ないことになります。多くの人達の辞める理由は「年取ったから」「仕事がんばるから」「彼氏彼女できたから」「結婚したから」でも本当はそんなのあまり関係ないんだよね。ほんとにやりたかったらどんな生活の状況でもやる。やりたくても出来ないのはシーンがシュリンクしてるからなのに変な理由を付けて自分を納得させるしかない。すごく寂しいことじゃないですか?
感情論は置いとくとして、シーンを下支えする構成員がいなくなるとピラミッドはどんどん崩れていくわけですよ。裾野が狭くなり、その上もボロボロ崩れていく。負の連鎖の始まり。今は、そういう「シュリンクスパイラル」にあると思うのです。

次回以降、じゃあどうすんの?の部分について続きます。

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